1988年、日本不動産鑑定評協会は、「デフォルト状態にある不良債権の担保となっている不動産」および「デフォルト状態になり不良債権の担保となっている不動産」における特定価格の算出指針を相次いで発表しました。
ここで、「デフォルト状態」とは何かというと、金融機関が債務者に対して区分している「債務者区分」を指します。債務者が「破綻懸念先」や「実質破綻先」である場合、金融機関は、抵当権などを設定している担保不動産からしか債権回収を図ることが期待できません。そこで、担保不動産を売却することを前提として、いま、いくら位ならば必ず売れるかを考慮した価格を算出する必要性が生じました。この価格は、合理的な市場を前提としてい特定の条件下における限定価格です。
このとき、デフォルト状態にある不動産の購入希望者は、対象不動産の投資収益率のみに着目し、それに見合う購入価格を希望します。これを顕著に表した価格の算出方法が、DCF法(割引現在価値法)なのです。
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