私達人間に、地震の発生を予知し、それを未然に防ぐ能力はありません。しかし、かといって、特に建物が大都市の都心部などに位置している場合などには、地震による直接的な被害リスクのほか、火災による被害が発生するリスクも考慮しておかなければなりません。
建物調査では、このような地震リスクを防止するための装置や、保険への加入など、震災時に対する事前の準備が行われているかという点も調査されます。一般に、現行の耐震基準をクリアーしている建物か否か、耐震補強工事が行われている建物であるか否かが調査されます。ただし、現地目視調査とメンテナンスの状況の確認は不可欠で、書類上の審査だけでは不完全です。
また、地震によって建物が全半壊した場合に、そのほとんどが保険をあてにできないとなると、建物の損害の修復費用などを最終的に担保するのは、オーナーの資力ということになってきます。このような場合、たとえば、不動産を証券化する場合には、そのスキーム(証券化の仕組み)自体が崩れることにもつながりますから、デューデリ(建物調査)において、地震リスクは、免責事項として表記するのが賢明でしょう。
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