変化する需要

デュー・ディリジェンス

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バブル経済とその崩壊の過程を通じ、建物の建築費は大きく上下しました。バブル期には、建築費が、坪あたり200万円を超えるビルもあったほどです。このようなビルには、たとえば、ホールなどの共用部分が税体躯にとられ、外壁には高価な御影石が使われ、内装にはヨーロッパから直輸入した大理石が当然のように施されるなど、豪華さが競われていました。その背景には、投資採算面において、地価の上昇が高価な建築費をも容易に吸収できたという現実があったのです。

一部の地域を除き、地価が下落し続けているいま、このような建物を建築しようとする人はいません。なぜならば、テナントから得られる賃料と建築費の関係から、このような建物は投資採算性に劣るからです。さらに、テナントのニーズも刻刻と変化しています。バブル期のような、単に豪華さが競われたビルというよりも、階高、床荷重、部分空調、分煙、LAN、トイレの広さ、エレベーターの数、セキュリティなど、常に新しいビルが、最新鋭の技術や設備を活かしてテナントの獲得を有利に進めています。

建物のデューデリを行うにあたり、建築会社名が工事の信頼性を示す1つのメルクマール(指標)であることは事実です。しかし、それ以上に、建築物そのものと竣工時におけるメンテナンスの状況や、修繕計画などの内容が問われることになります。

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