契約要綱について

Q&A

貸室賃貸借契約書の「契約要綱」とは

概要

契約要綱は、当該契約において固有の事項を記載した一覧表です。

契約要綱の趣旨

契約要綱は、賃貸目的物、賃貸借期間、賃料、使用目的等当該契約において固有の事項を記載しますが、これらはいずれも各契約条項に記載することも可能です。しかしながら、契約条項にそれぞれ記載すると、当該賃貸借契約の基本的な事項を把握するのに時間を要しますし、また、そうした事項の記載漏れをする恐れがあります。これに対し、こうした事項を一覧表にまとめて記載すれば、賃貸借契約の基本的な事項を一目で把握することができるとともに、漏れも防ぐことができます。

そうしたことから契約要綱を作成し、固有の事項を一覧形式で記載することが広く行われています。

特約事項欄

各契約条項に優先する特約条項を規定する場合に、特約条項欄にまとめて記載します。

特約事項は、契約条項を修正するものですが、そもそも契約は当事者間の合意である以上、当事者毎にその内容が異なることはむしろ当然であり、特約という表現自体が不自然ともいえます。しかしながら、賃貸人からした場合、賃借人ごとに契約条項が完全に異なるとすれば、賃貸借契約に関する紛争に対応するために、賃貸人はそれぞれの契約書を網羅的に確認し、契約内容を把握しなければならなくなってしまいます。そこで、賃貸人の作成した契約条項を修正する必要が生じた場合には、個別条項を直接修正せずに、特約事項欄にまとめて記載するのが得策です。これによりどの条項に修正を加えたのかを明確かつ容易に把握することが可能となります。

また、賃貸人によっては、契約条項については印刷業者に依頼して印刷し、契約要綱のみをワープロ入局してプリントするというやり方をとっていますが、そうした場合には、本文を加除修正しようとすると訂正印等が必要となり、煩雑です。

そうしたことから特約事項が設けられ、契約条項に修正をすべてそこに盛り込むことが一般的に行われています。

なお、特約事項の表示の仕方ですが、「第○条の定めにかかわらず、本契約においては…」などど、優先する契約条項を特定して記載するとよいでしょう。たとえば、一定のフリーレント期間を設ける場合、「第5条にかかわらず、本契約においては○年○月○日から○年○月○日まではフリーレント期間とし、賃料は○年○月○日から発生する。」などと記載します。

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