後順位で設定されている抵当権などで、債権の現在価値がゼロのものを無余剰といいます。
たとえば、1998年の暮れに、共同債権買取機構(CCPC)が額面4億円の債権を1万円で購入したとの新聞記事が出ていました。CCPCは、担保不動産付きの不良債権を、担保不動産の現在価値で評価して債権の買い取り価格とする機関ですが、買い取った債権は、実質的にゼロ価値であったことになります。これが、まさに「無余剰物件」なのです。おそらく、後順位の債権者(金融機関)が持ち込んだものなのでしょう。実際の価値はゼロですが、ただで譲渡するわけにはいかないので、1万円という価値をつけたわけです。
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