担保不動産のワークアウト

新再建型倒産法への移行

法務省は、従来から硬直的であった倒産法制を見直して、倒産の申し立てが破産前にもできるなど、新再建型倒産法原案を1999年に発表しました。会社更生を強烈に意識した原案で、アメリカのチャプター・イレブンを教科書として、特に、従来ではなかなか会社更生法の適用が受けられなかった

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寄付行為の認定

経営不振の子会社等に対する債権放棄は、基本的には寄付金として取り扱われません。債務者は、債務免除益を特別利益として計上しますが、実際には、債務超過や大赤字で課税対象にならないケースがほとんどです。ちなみに、国税庁は1988年の改正通達で、4月に遡って新貸倒引当金制度への

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リストラクチャリング

債権放棄や債務免除は、いわば会社更生法の申請と同様の効果を持ちます。したがって、債権放棄や債務免除を行うにあたっては、支援企業やリストラ計画が重要になってきます。「借金棒引き」などを依頼する企業は、バランスシートが体力以上に膨張しているケースがほとんどです。したがって、

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再建計画の信憑性

債権放棄や債務免除は、その対象となっている企業が、再び健全な企業へと再生することが見込まれる前提があってこそ意味を持ちます。したがって、ただ単に、債務の規模が大きいといった理由だけで判断するのは本質的に間違っているといわなければなりません。すなわち、たとえば、債務免除となっても

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債権放棄と債務免除

最近、経済界には「借金棒引き」を願う声が増えてきました。さらに、債務の株式化など、将来における借金の出世払い的な話も浮上しています。一方、金融監督庁は金融機関に対し、新たな不良債権の引当基準を示しました。すなわち、従来の「自己査定」に対する引当率を大幅に見直し、「正常先

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消滅時効と類似の制度

一定期間内に権利を行使しないと、権利が消滅するというのが、排斥期間と呼ばれるものです。権利者が長期間にわたって権利を行使ないことが、信義則に反するという法の精神を表す制度です。排斥期間が消滅時効となる点をまとめると、次のようになります。①中断が認められず、その期

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時効の効果と援用

時効の効果は、時効の完成だけでは確定しません。つまり、時効によって利益を受ける債務者、保証人、抵当不動産の第三取得者などから、消滅時効の明言(裁判上、裁判外を問いません)がなければその効果が表れないのです。これを時効の援用といいます。したがって、利益を受ける者が時効を援用しなけ

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時効の中断とは

時効は、一定の事実状態(たとえば借金の不返済)が継続しないような状態にすれば、その進行を断ち切ることができます。これを時効の中断といいます。時効の中断には、①請求②差押え・仮押え・仮処分③承認という3つの事由があります。これらの時効の中断事由が行われると、進行中の時効期

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消滅時効と抵当権の設定

抵当権は、それ自体放っておいても消滅時効にはかかりません。しかし、抵当権によって担保される債権について、返済が行われないにも係わらずこれを放っておくと、債権の消滅時効に伴い、抵当権も自動的に時効によって消滅してしまいます(付従性)。

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消滅時効の成立

債権の消滅時効は、債権を行使しない(たとえば返済を求めない)という事実状態が一定期間経過すると成立します。一般の債権は、10年で消滅時効にかかります。債権の内容と消滅時効の期間について、主なものを挙げると次のようになります。①一般の貸付債権…10年②商事

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消滅時効の対象

消滅時効を肯定する例としては、①財産一般②相続回復請求権③相続の承認、放棄 についての取消権が挙げられます。一方、消滅時効を否定する例としては、①所有権②物権的請求権③占有権④共有物分割請求権⑤相隣権⑥担保物件 などが挙げられます。抵当権は、債務者および抵当権設定者との

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時効の中断

担保をとっているから…。しかも、担保は不動産だからと安心していると、思わぬ失敗が待ち構えていることがあります。抵当権という権利のもとに「安心」していると、このような権利者は保護するに足りないとする「事項」という制度があるからです。時効制度は、事実状態に即した権利を取得さ

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債権譲渡の通知と承諾

担保不動産を任意売却や競売にかけたり、債権債務の関係を処理することは、現在の日本の法制度の下では、非常に時間や費用がかかってしまいます。そして、何よりも、抵当権者間の立場や都合を調整することは難しい作業なのです。それらを解決する手段の一つとして、債権の売買が行われています。

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共同担保の扱い

ある人が所有する抵当不動産が二つ以上あり、仮に、それぞれの不動産の抵当権者が同じ顔触れであれば、抵当権の譲渡や順位変更などを行って、「一つの抵当不動産には抵当権者が一人」となればあらゆる意味から理想的です。ところが、抵当権者である金融機関同士が、それぞれの権利を主張し続

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てき(滌)除とは

民法には代価弁済のほか、担当不動産の所有権や地上権などを取得した第三者からの請求で抵当権を消滅させる制度が定められています、これを「てき(滌)除」と呼びます。民法378条にあるこの制度は、代価弁済が抵当権者からの請求に基づいているのに対して、てき除は、不動産を取得した第三者から

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代価弁済とは

民法には、抵当不動産について、所有権または地上権を買い受けた第三者が、抵当権者(たとえば銀行など)の請求に応じてその代価を弁済すれば、抵当権は、この不動産を買い受けた第三者のために消滅するという制度が定められています。これを「代価弁済」といいます。代価弁済は、実質的には

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代価弁済とてき除

不良債権というのは、簡単にいえば、金融機関がもつ貸付債権のうち、債務者の都合で約定どおりに返済されないか、あるいは債務者の業績が不振で債務超過に陥っている場合など、回収予定の債権価値を100%見込めないものを指します。貸す側の金融機関からすれば、債権回収は、担保不動産の

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抵当権の譲渡と順位変更

債務者が破綻してしまうと、債務額が回収できるかどうかは、その担保になっている不動産の売却次第ということになります。したがって、現在のように地価が下落してしまっては、後順位の抵当権者は、不動産価格の上昇を望むしか方法がありません。反対に、金融機関にとっては、損失を拡大させないため

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無余剰とは

後順位で設定されている抵当権などで、債権の現在価値がゼロのものを無余剰といいます。たとえば、1998年の暮れに、共同債権買取機構(CCPC)が額面4億円の債権を1万円で購入したとの新聞記事が出ていました。CCPCは、担保不動産付きの不良債権を、担保不動産の現在価値で評価

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根抵当権の性質

融資に伴い、金融機関が債務者などの不動産に担保を設定する場合、これらの金融機関のほとんどは値抵当権の設定を望みます。その理由として、値抵当権は、一度設定すると、継続的な取引を確保できるだけでなく、順位も確保できるというメリットがあるからです。たとえば、普通の抵当権の場合